第17回 33台のピアノ

教室に設置されているピアノ
 本校に児童合唱団(キンダーコーア)が出来たのは創立5年目の1976年で、関孝夫第3代校長と音楽科の浅野武先生の尽力によります。合唱団創立2年目の1978年5月、ベルギーはネーアペルト町で開かれた第26回ヨーロッパ青少年合唱祭に参加し何と初参加で児童部の合唱コンクールに最優秀賞で優勝、本校の児童合唱団の存在は一躍広範囲に知られるようになりました。現在も折に触れて交流が行われているルクセンブルクのモンダーカンジュ町のマリー・アストリッド王妃合唱団と知りあったのもこの合唱祭の時でした。もう一つ本校にとって大きな礎(いしずえ)が築かれました。この優勝を契機に子供たちが教室でいつでも自由にピアノが弾けて一緒に歌が歌える音楽環境を作りたい、という浅野先生の要望が理事会により快く認められた事でした。爾来学校は予算を組んで毎年1〜2台当地のカワイ楽器社からの多大なご便宜を戴きながら各教室用のアップライトピアノをコツコツと購入し続けました。その間にボンでの首脳会談に参加された総理大臣等からピアノや電子ピアノを御寄贈戴いたこともありますが、現時点では全部で25台のアップライトピアノ、4台の電子ピアノ、それに4台のグランドピアノという普通の小中学校では考えられない音楽環境になっています。
 1971年4月に仮校舎のカニージウスハウスで開校した頃は教材教具文房具設備全てナイナイ尽くし。見るに見かねて当時当市に進出していた日本の商社部会が寄贈して下さったのが大変貴重な1台のカワイグランドピアノでした。このピアノは現在もなお体育館に常設され子供たちの種々様々な会合や学校祭で活用されています。あと3台のグランドピアノは旧校舎の音楽室と新校舎の小ホールに2台ありますが、小ホールのスタインウエイグランドピアノについては項を改めて記録します。
 本校では開校以来音楽への関心は学校や生徒や保護者たちによって公的にも私的にも培われており、(なにしろ市内にはメンデルスゾーン、シューマン、ブラームスの生活した跡があり、100km南のボンにはベートーヴェンの生家やシューマン夫妻のお墓があるなどヨーロッパ古典音楽の風土に直に接せられる環境にあります)国際的に活躍するピアニストや演奏家達も出ています。(開校初期に在籍した児玉麻里さん<11期生、指揮者ケント・ナガノ氏夫人>など。)ドイツ国内外で活躍する日本人を中心とする演奏家達が出演する本校の「音楽鑑賞会」は1974年以来の伝統的な音楽行事ですが、2005年度の鑑賞会ではヴィオッティ国際ピアノコンクールに優勝するなど国際的に活躍している若手ホープの河村尚子(ひさこ)さん<26期生>に演奏してもらいました。本校出身者の出演では第1号でこれからも多くの本校出身の国際的演奏家が出てくる事を願っています。(2005年12月上旬)

体育館のピアノ

小ホールのピアノ(2005年度音楽鑑賞会より)